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2006年5月29日 (月)

ピアノ・デュオの至福

斎木ユリさんと浅井道子さんのTierra ピアノデュオの夕べを聴いた(東京文化会館小ホール)。1曲目は連弾で、シューベルト「幻想曲D.940」。人間の感情のみなもとを見つめるかのような、澄んだ悲しみに満ちた冒頭から、お二人の音はこよなく美しく、そして豊潤。音楽の中にごく自然に引き込まれていく。2曲目は寺嶋陸也編曲による、プロコフィエフ「古典交響曲」。アルゲリッチが愛奏しているこの寺嶋編曲は見事なリダクションで、まるで2台ピアノのためのオリジナルとして書かれた作品のようだ。演奏もプロコフィエフの遊びプラス真面目精神をよく受け継いでいる。後半はすべてピアノ2台で、三善晃「唱歌の四季」のあと寺嶋陸也の委嘱新作「幻想曲」。この「幻想曲」、合唱ファンタジー「オホホ島奇譚」(3月29日の記事参照)と関連があるので、作曲者は「オホホ幻想曲」と呼んでほしいらしいけれども、それだったら最初から「オホホ幻想曲」とすれば良いものを、そうはしなかったところにこれら2作品の間の距離がある。この「幻想曲」は合唱ファンタジー「オホホ島奇譚」からはまったく独立していて、「オホホ島奇譚」を知らずともその端正な構成を楽しめる佳品である。最後は、寺嶋、斎木隆両氏がゲストとして加わっての2台8手で林光「鳥たちの八月 あるいはナガサキ1984」。林さんのソング「新しい歌」が、8手から紡ぎだされる音の渦の間から浮かび上がってくる。本プロの後は、ショスタコーヴィッチ編曲「二人でお茶を」をさらに寺嶋が2台8手に編曲したという美味しいアンコール付き。

斎木さん、浅井さんには、合唱などの伴奏者としてお世話になった人が多いだろう。しかし、このコンサートを聴けば、彼女たちが単なる「伴奏者」ではなく、非常に優れたアンサンブル・ピアニストであることがわかる。ピアニストは、ある意味孤独な種族である。ピアノという楽器は過不足なき構造を持っていて、大抵のことは何でもできてしまうために独奏曲が多く、たった一人だけで練習するということが日常になっている。しかし、今夕のようなコンサートを聴けば、どんなピアニストでも、このような音楽の楽しみ方、表現の仕方があるのだと、改めて感じさせられるだろう。ピアノを学ぶ人たちにとっても、元気づけられることだと思う。

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