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2006年7月 2日 (日)

講演、旧交、そしてサプライズな一日

0702

名古屋にある某高校音楽科の同窓会から、今年の総会の後に催される講演会で何か話すようにとご指名を頂いた。私はその高校の卒業生ではないが、幼馴染のG君の姉上であるタチマチお姉さんがこの同窓会のお世話をしておられるのである。

だが、タチマチお姉さんが私を呼んでくださったのは、そういった縁故関係からだけではない。ある日何気なくラジオをつけていたら、その時ちょうど放送していたラジオドラマにすっかり引き込まれてしまった。そして、番組の最後に読まれるスタッフ名のクレジットで、そのドラマの音楽を作曲したのが弟の友人であることを知り、びっくりしたのだという。そんな経緯もあったので、「演じる言葉、語る音楽」というタイトルで70人ほどの方々の前でお話をした。ラジオドラマや朗読の世界で、音楽がどのような位置を占め、どのような役割を負うかというような内容で、あまり大したお話もできなかったけれど、概ね喜んでいただけたようだった。来場の方々は、皆さん音楽家、音楽の教育者だが、意外と縁のない仕事の話で、そこがかえって良かったらしい。

タチマチお姉さんやG君が喧伝してくれたおかげで、中学校の同級生が何人も「応援団」と称して聞きに来て、後でさまざまな感想を言ってくれた。ありがたいことだ。彼らとは、数年前から始まった中学校の同期会以来連絡が取れるようになった。それまで数十年の空白があったのに、その年月が一瞬にして溶けてしまった。会わなくなってからの期間の方が長いのに、この心安さは何だろう。

この日は、もうひとつ、とんでもないサプライズがあった。講演の後の懇親会の席で、タチマチお姉さんが「M先生のお嬢さんがいらしているので、お引き合わせします」と言う。え?といぶかりながら連れられていった席におられたご婦人を見て、私は思わず大きな声をあげた・・・だろうと思う。その時、どんなことを言ったか、どんな顔をしたか思い出せないほど、頭の中は沸騰してしまった。

M先生、私の小学校の先生であり、私のヴァイオリンの先生。そして、小学校高学年くらいからは「お嬢さん」にもヴァイオリンをお習いした。つまりお二人は、私が今の仕事をする切っ掛けとなった「恩師」なのである。「どうしてここに?」という私の愚かな問いに対して、「お嬢さん」つまりH先生は、「私もここの卒業生なの。今年はあなたがお話をされると聞いて、ずっと前から楽しみにしていたの」と、あの頃と変わらぬ穏やかで上品な口調でおっしゃった。

私は、高校受験のために、中学校3年生でヴァイオリンをやめた。やめたくはなかったが仕方なかった。音楽の勉強を続けられる環境ではなかった。その後、H先生にお会いしたかどうか記憶がない。もしかしたら、それ以来、つまり35年ぶりくらいの再会だったかも知れなかった。下手くそなヴァイオリンを弾いていた少年が、50がらみのおっさんになって、「ラジオドラマにおける音楽とは」なんぞという話をエラそうにしている・・・講演の客席にH先生もおられたことを知って、私は赤面した。

M先生が亡くなられて、もうずいぶん経つ。M先生に対して、私は感謝と同時に少し複雑な気持ちを持っていて、晩年は疎遠になった。だが、その複雑な、やや頑なな気持ちが、H先生との再会で氷解した。
H先生は、美しく優しくて、あこがれの先生だった。今や私は、臆面もなくそのように書くことのできる年齢である。あっという間でしたね・・・65歳になりました・・・。H先生はおっしゃった。

来てくれていた中学仲間に同じ小学校出がいて、M先生が授業ではとても厳しかったこと、その反面、授業以外の時は優しくてみんなを笑わせてくださったことなど、H先生も交えて話の花が咲いた。
それにしても、私たちの記憶力はどういう仕組みになっているのだろう。数日前の夕食に何を食べたか思い出せないこともあるのに、みんな、こんなにも昔のことを鮮明に覚えている・・・。きっと、ボケるまで忘れないのだろう。そして、老いれば老いるほど、遠い記憶にこそ、自分のアイデンティティがあるのだと考えるようになるのだろうか・・・。

(おまけの写真は、火柱のように見えるかも知れませんが、名古屋のテレビ塔です。
私たちと同じ歳なのですが、最近化粧直しをして若返ったのだそうです。
私たちは若返れませんけどね。)

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コメント

先生のヴァイオリン聴きたいです♪

残念だね。35年前だったら聴かせてあげられたのに♪

じゃあタイムスリップしましょう♪ヴァイオリンが弾けるってほんとにすごいことだと思います。尊敬します。(本気)

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