フォト

-天気予報コム-
2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

最近のトラックバック

友人のページ

こんなページを見つけました。

無料ブログはココログ

« 御礼(10,000ヒット) | トップページ | 「東西不思議物語」 »

2006年8月30日 (水)

「もう飛ぶまいぞこの蝶々」

いうまでもなく、モーツァルト「フィガロの結婚」第一幕の最後、フィガロによって歌われるアリア。

小姓ケルビーノは、伯爵がくわだてる色事をことごとく邪魔してしまう。お屋敷の女性たちにちょっかいをかけに行くたびに、そこに伯爵も同じ目的で現われるというわけだ。スザンナの部屋で見つかったケルビーノは、ついに伯爵を激怒させる。許しを請うケルビーノに、伯爵は言う。

「よかろう、許してやる、いやそれ以上のことをしてやろう、連隊の仕官に任命する、今すぐ出発しなさい」
早い話邪魔者は追っ払われるのである。

それを聞いてフィガロが歌う。

「花の心騒がす、罪作りな蝶々ケルビーノ、今日からは羽を取り上げられ、鉄砲かついで、サーベル片手に、泥の中を進軍、野山をふみわけ、雪の日も雨の日も、ラッパや大砲の音が耳をつんざく戦場へ、勇ましく行け!」(堀内敬三訳に基づく)

物語では、ケルビーノは戦場へ行くことはない。フィガロの機転によって出発を免れ、その後もさんざん騒ぎを起こすものの、バルバリーナとのハッピーエンドが用意されている。が、それはずっと後のこと。この名高いアリアの間に、ケルビーノは軍人のなりをさせられ、今すぐ出発だと促されて舞台から消える。

元の台本によれば、フィガロは、このアリアの直前、ケルビーノに向かって「出発前に話がある」とささやく。すでに彼の頭の中には、ケルビーノを戦場に行かせない計略があるのだろう。その上で、「勇ましく行け!」と歌うのである。

この歌は、ケルビーノに対するからかいだろうか?
いや、単なるからかいというよりも、無情な伯爵へのあてつけと考えたくなる。
実際、このアリアの間、伯爵とフィガロがずっと睨み合っている演出を見たことがある。

愛の狩人だったはずのケルビーノが軍服姿になっていくさまは、軍楽調が高まっていくにつれて、かえって悲壮さをにじませる。ケルビーノって奴は、色恋のいたずらをしているよりも軍隊へ行く方が良い・・・と、この場面を見て納得する人はいないだろう。恋ある人生に比べて戦場がいかにむなしいところか、そうは言わないのに、軍楽調が高まれば高まるほど訴えかけてくる。つまり、世界で最も美しく勇ましい軍隊行進曲でありながら、同時に世界で最も強く厭戦を叫ぶ。そんな離れ業を見事にやってのけたのがこのアリアだ。まったく、モーツァルトって奴の凄さは測り知れない。

こんにゃく座「フィガロの結婚」東京公演、本日無事千穐楽を終えました。連日の盛況のお祝いとして、私もスタッフの一人として大入袋をいただきました。たくさん応援してくださって、ありがとうございました。

« 御礼(10,000ヒット) | トップページ | 「東西不思議物語」 »

コメント

フィガロの結婚ではないのですが、高校で音楽の授業4時間かけて魔笛を見たことがあります。こうもりもその調子で見て、先生は果たして授業をする気があるのだろうかと思いましたが、今となっては見せてもらって良かったと思えるようになりました。生で見るのが一番ですが、なかなかそのような機会は無いし、家で映像で見るとなると結構な時間がかかってしまうので、それだったら他の事をやろうなんて思ってしまって・・・。でも私は有名なオペラでさえ知らないものが多いので、休み中にいくつか見てみようと思います♪

その先生は、4時間かけて「魔笛」を見せようと決めたとき、やったー!これでしばらくは手が抜ける!と思ったはずです(笑)。そして、事実少しは楽をしたでしょう。でも、解説を考えたり、質問された時に立ち往生しないよう準備したり、それなりに大変だったと思います。それに、先生が力を振り絞って取り組む授業が必ずしもいい授業とは限りません。ぐーちゃんが、見せてもらって良かったと思うならば、それはいい授業だったのです。

そうですよね。その時は分からなくても、良かったと思える授業は色々あります。そう考えると、ぐうたらしてもったいないことをした授業がたくさん・・・・。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/189419/11877805

この記事へのトラックバック一覧です: 「もう飛ぶまいぞこの蝶々」:

« 御礼(10,000ヒット) | トップページ | 「東西不思議物語」 »