フォト

-天気予報コム-
2013年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

最近のトラックバック

友人のページ

こんなページを見つけました。

無料ブログはココログ

« こんとらばすのとらの巻 | トップページ | 「風神雷神図屏風」 »

2006年9月26日 (火)

「3つの」ジャズ組曲

今年はモーツァルト生誕250年ばかりが目立つけれども、ショスタコーヴィッチ生誕100年でもある。そしてそのショスタコーヴィッチに、2曲の「ジャズ組曲」というタイトルの曲があるのをご存知の方も多いだろう。

第1番は室内オーケストラ、3曲からなる組曲で、第2番はフルオーケストラ、8曲構成・・・と知られているわけだが、どうやらそれは違うらしい。第1番は1934年の作曲だが、実は1938年に書かれた3曲からなる「第2番」が近年発見されて、「一般に第2番と呼ばれている作品」とは別物なのだという。では、「一般に第2番と呼ばれる第2番」は一体何かというと、「ヴァラエティ・ステージ・オーケストラのための組曲」ということになるらしい。全音楽譜出版社から出ているスコアの大輪公壱氏による解説がその事情を明かしてくれる。そして、「ヴァラエティ・・・」の成立は1950年代だという。なーんだ、いくら仮面をかぶるごとく本音と建前を書き分けたかのように言われるショスタコーヴィッチでも、1番と2番とではどうもスタイルが違いすぎていて変だなぁと思ったのは理由があったわけだ。

つまり、こういうことらしい。「ジャズ組曲」は2曲ではなくて3曲なのである。

・第1番(1934)3曲

・第2番(1938)3曲

・(一般に第2番と呼ばれていた)「ヴァラエティ・ステージ・オーケストラのための組曲」(1950年代)8曲

第1番の楽器編成は、木管はサキソフォーンだけだし、弦はヴァイオリンとコントラバスだけ。それにトランペット、トロンボーンの他に、ピアノやさまざまな打楽器、バンジョーやハワイアン・ギターまでが加わる。蓮っ葉な身振りをするようなけだるい音色は、ちょっとクルト・ヴァイルを思いださせる。それに対して、「ヴァラエティ・・・」はサキソフォンや金管が増量された変則1管編成にギターやアコーディオンなどなど。諧謔やモダニズムは影をひそめ、例えばグリンカやチャイコーフスキー、つまりロシア・ロマン派の王道を行く華麗な楽想に繋がろうとしているかのように思える。そして、「ヴァラエティ・・・」はまったく「ジャズ」ではない。

それでは本来の第2番はといえば、オリジナルのオーケストラ譜は戦争で失われ、イギリスの作曲家がピアノスコアから編曲したものを、2000年に蘇演したのだという。だからこれは、現在のところほとんど知られていない。

それにしても、どうしてこんなややこしいことが起こるんだろう・・・。

ショスタコーヴィッチの作品は、交響曲や器楽曲だってそうだが、特にこの種の娯楽性の強い作品については、どこまでソヴィエト連邦の国策が反映している(させられている)のか、裏の裏まで探りはじめるとわけがわからなくなる。だが、彼の交響曲を聴くにはいささか覚悟が必要だが、これらの作品はとりあえず楽しく聴けるし、ショスタコーヴィッチの職人技の確かさ、オーケストレーションの見事さは無条件に堪能できるだろう。

テオドレ・クチャル指揮、ウクライナ国立交響楽団というCD(ブリリアント・クラシックス、輸入盤)を聴いてみた。早い話、3枚組1,700円という安さに釣られたわけだけれど、かなり良い演奏。熱っぽくもあり、しかしいわゆるロシアのオケの来日公演「チャイコ6番・ショスタコ5番」定番だぞどうだ参ったか!と重戦車の進軍みたいに力技でねじ伏せようというものではなく、通俗のツボを押さえつつ洒脱。あとの2枚には、バレエ「ボルト」「明るい小川」「黄金時代」の組曲や、映画音楽「ハムレット」「馬あぶ」などが入っている。
286 

« こんとらばすのとらの巻 | トップページ | 「風神雷神図屏風」 »

コメント

気になる気になる気になる!!
聴いてみたいです。

うん、聴いてみてください。CDお貸ししましょうかね。

わーありがとうございます!お言葉に甘えて、今度ぜひお借りしたいです♪楽しみです。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/189419/12041313

この記事へのトラックバック一覧です: 「3つの」ジャズ組曲:

« こんとらばすのとらの巻 | トップページ | 「風神雷神図屏風」 »