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2006年10月17日 (火)

「20世紀音楽 クラシックの運命」

宮下誠著、光文社新書。

今年9月の新刊。20世紀クラシック音楽は「わからない」だろうか?という問いからスタートしての、20世紀クラシック音楽案内書。著者は、美術史学を専門とする國學院大学教授。音楽は専門ではないからと謙遜して書いておられるが、新書としては異例の446ページという厚さ、目次だけで13ページ、いやはや大変な本である。そして、まず20ページに及ぶ「はじめに」では、20世紀音楽が抱え込んだ問題がわかりやすく解説されている。

ヴァーグナーからヴォルフガンク・リームまで、専門の美術史と比較して論じられる部分もあるが、主体となっているのはトピック別に要領よくまとめられた作曲家・作品紹介。しかも、既存の本では多くを知ることができなかった作曲家たちを特に丁寧に紹介している。例えば、ドビュッシーやラヴェルは3ページ足らずなのに、ヒンデミットに36ページ、パウル・デッサウに17ページを割いているという具合。ヒンデミットのページ数が異様に多いのは、オペラのあらすじを紹介していたりするからだ。いやはや大変な本である。

これは、私たちのような者にはとてもありがたいけれど、かなりマニアックだよなぁ・・・。そして、どうしても総花的で、もしも20世紀クラシック音楽入門として読もうとする人がいたら(いるとすればだけど)、結局何から聴けばいいかはわからないだろう。4月12日の記事「文学全集を立ちあげる」に見られるような思い切った価値判断も、時には必要だろうと思う。もっとも、そもそも20世紀クラシック音楽というものが一般には認識すらされていないのだから、価値の薄いものはバッサリ斬って捨てよとか言う前に、まずは聴いてごらんよというのも理解できるが。

とにかく、20世紀クラシック音楽を聴くのは結構好き、これからもっと聴いていこうと思っている人たちには、貴重な本であることは確かだ。ハルトマンやプフィッツナーやアイネムやヒナステラのことを、新書版の本で読めるようになるとは思ってもみなかったもの。348ページから426ページまでは、DVDやCD等の紹介。これもかなりありがたい。ありがたいけれど、それに頼って集めだしたりすると、相当なマニアになってしまうだろうなぁ・・・と思わずつぶやくほど、私も20世紀クラシック音楽を作ってきた端くれだから、それなりにいろいろな作品を聴いてきているが、とてもとても敵わない博識ぶりなのである。

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コメント

前略 すでに同様のコメントが入っていたらごめんなさい。『20世紀音楽』について素晴らしいコメントありがとうございます。批判も含めとても嬉しかったです。実は新著でこちらのコメントを転載させていただきたいのですが如何でしょうか?もし可能なら上記アドレスにお返事いただけないでしょうか?お返事をお待ちしております。匆々 宮下拝

宮下様、はじめまして。著者自らコメントを頂き、驚きました。転載の件、ご指定のアドレスに別途お返事いたします。今後ともStudio Mu-Vantiをよろしくお願いいたします。

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