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2006年11月25日 (土)

ピアノで綴るロマンの旅「小山実稚恵の世界」第2回

1125 小山実稚恵さんのリサイタルを聴きに行く。東京渋谷 Bunkamura オーチャードホール。

今年(2006年)から12年間、つまり2017年まで、年に2回ずつ合計24回のリサイタルが計画されて、昨年そのすべてのプログラムが発表された。それを見たときには、驚いたのを通り越して呆気にとられ、気が遠くなってしまった。けれども落ち着いて考えれば、この時期はこういうレパートリーを軸に・・・という具合に、先々の計画を立てられるというのは、演奏家にとっては意味のあることだし、そういう形でリサイタルの場が保障されるのは画期的なことだろう。それにしても、来週の授業の中身すらまだ決まっていないような状態の私などから見れば、12年後までも計画が決まっているとは、何て立派なんだろう・・・と思ってしまうけれど。

今年の6月にあった第1回は残念ながら行くことができなかったので、この壮大なプロジェクトに立ち会うのは、今日が初回。「献呈」と題された今日のプログラムは、メンデルスゾーン「無言歌」より7曲、シューマン「ソナタ第2番」、休憩をはさんでシューマン=リスト「献呈(ミルテの花 第1曲)」、そしてリストのh-moll ソナタ。

実稚恵さんは、プログラムを組むのがとてもうまい。メンデルスゾーンもシューマン歌曲のリスト編曲も、前半後半それぞれの導入として、効果的に機能している。前回、シューマン「幻想曲」とシューベルト「さすらい人」幻想曲が演奏されたので、今回の2曲のソナタとともに、ロマン派の4つの傑作ソナタ=ファンタジーが踏破されることになる。そして今回の圧巻も、やはり2曲のソナタだった。

ただごとならぬざわめき、うねり、そして風雲急を告げるといった緊張を漂わせる旋律、ひきつり痙攣するエトス、甘美な毒。シューマンの濃密なロマンティシズムは、エロスや狂気と紙一重であることをピアノから引きずり出してしまう実稚恵さんは、しかし狂気の人でもエキセントリックな人でもなく、至ってニュートラルな女性である。そういう人が、曲に塗りこめられた激情を暴きだしてしまうところが素敵だと思う。

リストのh-moll は、「ソナタ」というより「楽劇」のように聴こえた。「『古典に範を置いたソナタ』として端正に描くアプローチ」とは、おそらく逆の行き方だろう。曲の構成要素は循環動機というよりは示導動機のような性格を与えられてたびたび回帰し、異形な魅力を放つ。この曲をこのように聴いたのは初めてで、新鮮な体験だった。

実稚恵さんは、それぞれの曲や曲中の部分部分に、的確なキャラクターと推進力を与えることがとても上手だ。だから、知らず知らず引き込まれてしまう。具体的なお話を勝手に考えて弾くのだと、以前語ってくれたことがある。勝手にと言うがそれは作品に隠されたものに命を与えることであり、それによって彼女の音楽は躍動する。

大学時代はすれ違いだったけれど、ある時ひょんなことがきっかけでお話させていただくようになり、仙台で演奏会がある時などは、街へ引っぱり出して飲み食いのお付き合いをさせてしまったり。演奏会のあとは、何食わぬ顔でサイン会の列に並び、狼狽させるという悪戯もお約束になりつつある。(どうやらこのブログにも時々遊びに来てくれているらしい。)

このシリーズ、次回は来年の6月。詳細な情報はこちら→http://www.bunkamura.co.jp/shokai/orchard/lineup/06_koyama_recitals/index.html

これからの展開がとても楽しみだ。できるだけ聴きに伺いたいなと思っている。だが12年後って、もしも今と変わらずに働いていたら、そろそろ定年っていう時期になるんだよなぁ・・・。そう考えると、やっぱり途方もない。

11252_1 外に出たら、渋谷の街はもうクリスマスのイルミネーションで溢れていた。

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コメント

小山さんの演奏会お聴きになったなんて、うらやましいです・・・。今年は5コマまで授業が入ってる日に演奏会があるから、聴きに行けないのです。記事を読んだらますます行きたくなってしまいました~(涙)

授業?サボっちゃえば?

し~ちゃーん、私もさぼっちゃうから一緒に行こうよ♪

なんだなんだ?!この誘惑は!!・・・まだあの授業1回しか休んでないから行っちゃおうかなあ(@@)

行っちゃえ行っちゃえ~!

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