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2007年5月13日 (日)

ディアギレフとロシアバレエ団 1911~12

現代芸術論第3回(5月1日分。5月8日は、健康診断のため休講)

ディアギレフ率いるロシアバレエ団[バレエ・リュス]が1911~12年に行なった公演を、パリオペラ座バレエ団が1980年に復元した映像を見る。演出、美術、振付が当時の記録をもとに復元されている興味深い映像である(使用ディスクはLDで、この作品はまだDVDにはなっていない模様)。

今回視聴したのは以下の演目。ディスクには、この他に  《結婚》(ストラヴィンスキー)が収録されている。

     《ばらの精》(1場)[1912.5.15 初演,パリ・シャトレ劇場]

音楽=カール・マリア・フォン・ウェーバー(<舞踏への勧誘>ベルリオーズ編曲)

振付=ミハイル・フォーキン

装置・衣裳オリジナルデザイン=レオン・バクスト

     《牧神の午後》(1場)[1912.5.29 初演,パリ・シャトレ劇場

音楽=クロード・ドビュッシー(<牧神の午後への前奏曲>)

振付=ワツラフ・ニジンスキー

装置・衣裳オリジナルデザイン=レオン・バクスト

     《ペトルーシュカ》(4場)[1911.6.3 初演,パリ・シャトレ劇場〕

音楽=イーゴリ・ストラヴィンスキー

振付=ミハイル・フォーキン

装置・衣裳オリジナルデザイン=アレキサンドル・ブノワ

    《ばらの精》の初演は、ニジンスキーが踊った。この伝説の天才ダンサーの妙技はさすがに復元できないが、驚くべき跳躍力を持っていたというニジンスキーをもってすれば、この演目が観衆を大いに喜ばせたであろうことは想像に難くない。娘とばらの精との二人だけが出演するバレエだが、娘はほとんど最初から最後まで眠っているから、事実上「ばらの精を見せる」出し物なのである。バクストの美術、衣裳は奇をてらっているとは言えないが、よく見るとなかなか異形である。

  《牧神の午後》は、その初演がスキャンダルになったことが伝えられている。ニジンスキーが振付し自ら踊った意欲的な実験作だが、《ばらの精》のように華やかな跳躍技による見せ場などは皆無で、そのことも観衆の不興を買ったのだろう。

モダンバレエやモダンダンスを知る私たちにとっては、もはやそれほど奇抜には思えない。むしろ、ギリシャ彫刻やレリーフが動いているような視覚効果には様式的な美しさを感じる。だが、当時としては異様な作品として受け止められたことも理解できないわけではない。(スキャンダルの要因となった終結の部分での牧神のエロティックなしぐさを見ると、田山花袋「蒲団」を思わず連想してしまう私は変だろうか?)

《ペトルーシュカ》は、 《火の鳥》や《春の祭典》と並んで、ロシア習俗をパリの観衆に面白く観せた作品で。中でも 《ペトルーシュカ》は、ロシアの謝肉祭が舞台となり、人形芝居のアイドルが主人公になので、舞台装置も抽象的ではなく、大がかりな書割り道具が使われている。( 《春の祭典》の美術プランを見ると、作品全体が抽象的な設定であるにも関わらず、これもロシア色の強い衣裳、装置だったことに、少し意外な気がしたことがある)。

異国情緒に溢れ、異国の音楽(民謡)がふんだんに聴こえてくる 《ペトルーシュカ》は、意地悪く言えば「輸出用の」ロシア習俗であっただろう。そのことにパリの観衆は喝采をした。だが、ありきたりの民謡バレエにしないで、作曲上の数々の実験が(非難を受けなくてすむやり方で)できたおかげで、ストラヴィンスキーは、20世紀最大の傑作 《春の祭典》に辿り着けたのだと思う。

ディアギレフは、作曲家ではストラヴィンスキーやドビュッシーの他にも、ラヴェル、サティ、ファリャ、レスピーギ、ミヨー、プーランク、プロコフィエフらに、画家・美術家ではピカソ、マティス、ブラック、ルオー、ローランサン、シャネルらに、すなわち当時まだ駆け出しだった気鋭の芸術家たちに、舞台実現のプランを次々と託した。ディアギレフに対する毀誉褒貶はいろいろあるにせよ、彼の才能を発掘する目の確かさは比類がない。

もしタイムマシンがあったら行ってみたい時代がいくつかある。その一つが1910年代のパリだ。

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本当です。

タイムマシン買ってください!!

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