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2007年5月30日 (水)

大地が唸り声をあげるような・・・

すごいものを聴いた。堀米ゆず子ヴァイオリンリサイタル(仙台市イズミティ21小ホール)。

どのステージも堪能したが、あまりのことに、ふさわしい言葉がすぐに見つからないのが、エネスコの第3ソナタ。

初めて聴いた曲ではない。とても譜読みが大変そうな、複雑きわまる楽譜も持っているはず。ロマン派に根を張る第2ソナタと大いに違い、民族主義から養分を得てまったく独自の境地を切り拓いた作品・・・と、その程度の認識はあったのだが、そんな生易しいものではなかった。

装飾音に彩られた旋律は骨太であると同時にガラスのように繊細。装飾音は装飾であると同時に旋律の主体。ヴァイオリンとピアノとでうねり合い、螺旋状に高揚していく旋律。この果てしない旋律の作用で、どこへ連れて行かれるのかわからないまま、果てしないまま、この浮遊感が永遠に続いてくれることをさえ望むようになっていく。

肉声のくぐもりを帯びた旋律にはさまざまなモードが現れては消え、また別のモードが新しい音色を織り成すために生まれてくる。寒さ、暖かさ、懐かしさ、冷たさ、生と死・・・人間を包み込む様々なテクステュアが瞬時に入れ替わっていくような眩暈に似た音楽。

3楽章、大地が唸り声をあげて胎動するようなダイナミズム。こんなに力強く、こんなに原初的な音楽作品だったのか、このソナタは!

この曲は今夕が初挑戦であるという堀米氏のプログラムノートを、後で読んでまたびっくりした。それほど、曲の実体を掴みきった演奏だと感じたからだ。

エネスコは2曲目。1曲目はシューベルトのグランド・デュオ(イ長調、D574)。演奏は、散歩をしているうちに様々な景色が現れるような楽しさ。そしてナチュラルにしてノーブル。実にいい音楽だった。休憩をはさんで3曲目はドビュッシーのソナタ。背筋はまっすぐ、しかし絶望的なまでの孤独を見つめるドビュッシーの姿が見えたような気がした。かつてこの曲でそんなことを思ったことはない。なぜそう思ったのかわからないが。

堀米氏の生演奏に接する機会が、どういうわけか今までになかった。とても迂闊なことだったように思う。決して荒くならず細くならず、暖かくかつ厳しい。自然体でありながら、隅々までしなやかな音楽性に溢れている。こういう音楽が、今私たちには必要なのだ。

特筆すべきなのは、若いピアニスト佐藤卓史氏の大変な名サポートぶり。シューベルトの最初の1音から惹きつけられたが、特に、ヴァイオリンパートに負けず劣らず難しいエネスコのピアノパートを、少しの迷いもなく弾ききった腕は見事。

3曲のソナタのあとは、ラヴェル「ハバネラ形式の小品」、チャイコフスキー「感傷的なワルツ」、サラサーテ「ツィゴイネルワイゼン」を続けて演奏。アンコールはファリャ「スペイン舞曲(『はかなき人生』より)」とパラディス「シチリアーノ」。

このコンサートは、卒業生のtomoちゃんが誘ってくれました。tomoちゃん、ありがとう!

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コメント

こちらこそ、お忙しい中ありがとうございました☆
せんせーの解説つきで私は、より楽しく聴けました!!(笑)

解説つきって・・・(笑)。別に何も解説してないよ。でも、配られたプログラムには本当に何も書いてなかったもんね。何楽章あるのかくらい書いておくべきだよな。それ以外は、もう本当に堪能した演奏会でした。

黒猫の時計かわいいですね♪(この記事に関係ないけど。。。)

はい。便利かなと思って置いてみました。

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