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2007年6月 9日 (土)

デューク・エリントン

現代芸術論第6回(5月29日分

DVD「エリントン・ミュージック」Vol.1を観る。1920年代のニューヨークに始まって、コットン・クラブでの演奏風景、ハリウッド映画出演での演奏と続き、3人のスタープレイヤーたち(ジミー・ハミルトン、ジョニー・ホッジス、ベン・ウェブスター)のピックアップ、作曲家やバンドリーダー、ピアニストとしてのエリントンに焦点を当てるパートなど、演奏映像と関係者へのインタビューを中心に構成されている。丁寧に作られたDVDで、エリントン入門としても適しているだろう。

授業では、当初「ジャズ創生」の歴史を辿ろうかと思ったのだが、やめた。結局「ジャズ」は、エリントンとマイルス・ディヴィスを中心に聴けば良いと、最近は考えるようになったからだ。エリントンやマイルスを聴けば、その周囲にいたミュージシャンたちも同時に聴くことになる。もちろん、他にもたくさんの魅力的なジャズメンたちがいるけれど、それらの演奏や、まして創生の歴史なんぞは、「ジャズ」が面白くなった後からでも遅くはない。

A Duke Named Ellington というのがDVDのオリジナル・タイトル。彼の本名は、エドワード・ケネディ・”デューク”・エリントンといい、父はホワイトハウスの執事だったというから、良家の出と想像できる。「デューク」つまり公爵というのは、言わば呼び名。しかし、彼の仕事の重要性を考えると、決して大げさなものではない。

DVDを観て気づくのは、初期の、つまりコットンクラブやハリウッド時代のプレイヤーたちはともかく、ビックバンド・スタイルを確立した後の、さまざまなスター・プレイヤーたちの表情は、みな「楽隊屋」のそれではなく、実に毅然と、「芸術家然」としているということだ。エリントン自身がそうであることはいうまでもない。

彼は、バンド・マスターとして単に興行の取りまとめをしただけではなく、非常に厳しい音楽監督だった。また、自身は苦労しながらも、メンバーにはプライドに見合う額の給金を配ったという。さらには、「世の中の音楽には二つしかない。いい音楽とそうでない音楽だ。」という有名な発言は、彼にとって「ジャズ」というジャンルの枠がまったく無用なものだったことを示唆している。こうしたことが、彼のプレイヤーたちをして「芸術家然とした」表情をさせるに至ったのだろう。

余談だが、2004年にワシントンD.C.へ行った時のことを思い出した。

時間の空いた午後、私は、スミソニアン協会運営の博物館地区を、ナショナル・ギャラリー(国立絵画館)目指して一人で歩いていた。ふと道端を見ると、ポスターがある。ディジー・ガレスピーのトランペットの写真だった。途中でグニャリと曲がったトランペットだから、すぐわかる。国立アメリカ歴史博物館に展示してあるよ・・・というこのポスターに惹かれて、行ってみることにした。

国立アメリカ歴史博物館は、17世紀の新大陸入植以来のアメリカの歴史と文化を展示した巨大な博物館だ。子どもでも楽しめるように展示は工夫され、文化やスポーツ、エンターテインメントにも焦点が当てられている。

中があまりにも広いので、「文化」のフロアだけを見ることにしたが、展示品の「一点豪華主義」はなかなか愉快で、「映画『オズの魔法使い』でジュディー・ガーランド扮するドロシーが履いたルビーの靴」だの、「ベーブルースのサイン入りボール」、「モハメド・アリのグローブ」や「マイケル・ジョーダンのユニホーム」だのの「お宝」が、それぞれガラスケースの中におさまっている。たしかに、ディジー・ガレスピーの曲がったトランペットもあった。

それ以上に私の目を惹いたのは、「お宝展示」よりもう少し広いスペースを取って設けられていたエリントンとエラ・フィッツジェラルドのコーナーだった。

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エリントンのコーナーでは「ムード・インディゴ」の自筆楽譜が展示されていて嬉しくなった。複雑な譜面ではないが、きれいに見易く書かれた楽譜は、紛れもなくプロフェッショナルの手仕事だとわかる。Photo_35

エラ・フィッツジェラルドのコーナーでは、展示されていたビデオを見て、エラの歌声を聴いて、とても幸せなゆったりした時間を過ごすことができた。Photo_36

(写真はクリックすると大きく表示できます。ちなみに、多くの博物館では写真撮影は自由。また、スミソニアンの博物館、美術館は入場無料です。)

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