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2007年6月11日 (月)

レクオーナとキューバの音楽

現代芸術論第7回(6月5日分

エルネスト・レクオーナ(1895~1963)は、クラシックを学んだのち、作曲家、ピアニスト、バンドマスターとして活躍した。クラシックとキューバ音楽とを繋ぐ仕事をしたということから、「キューバのガーシュイン」と書かれているのを読んだことがある。クラシックと民衆音楽を繋いだという点では、6月4日に訃報が伝えられた羽田健太郎さんのことを思い出す

自作自演のディスクを聴く限り、レクオーナが作曲した作品は、隙間なく音を埋めるような技巧的なものが多い。分厚いテクスチュアやオクターブ重複がメロディーを飾る。即興風に聴こえるけれど、おそらくすべての音は書き込まれているのだろう。アルベニスのピアニズムを思い出させる音のアラベスク。

スペイン組曲「アンダルーサ」は、タイトルどおりスペイン音楽の風味が濃厚で、キューバの作曲家の作品という感じは、あまりしない。その中の「アンダルーサ」という曲は、アメリカで英語の歌詞がつけられて、「そよ風と私」というタイトルのスタンダード・ナンバーになった。「マラゲーニャ」も、よく耳にする曲である。他には、この組曲ではないが、「シボネイ」もラテンのナンバーとして知られている。

「アフロ-キューバン舞曲集」は、スペイン組曲と違う素材を扱っているとはいえ、基本的な音楽のつくりは似ている。西洋音楽の技術、方法を身につけた作曲家が、西洋音楽の視点を通してまとめたアフロ-キューバン音楽である。

中村とうよう氏選曲・解説による「キューバ音楽の真実」というCDが面白い(ライスレコードより発売)。

中村氏は、キューバ音楽は「聞けば聞くほど奥深さを感じる」と、ライナーノートに書いておられるが、解説を読みながら聴いていると、いつの間にかはまりそうになっていることに気づく。スペイン風な和音進行、アフリカ風の複雑なリズムやコール&レスポンス、ジャズの楽器編成やアラビアから来た楽器までが加わる豪華な世界音楽。キューバ音楽は、レコード店のジャンル分けでは「ワールド・ミュージック」だろうが、キューバ音楽自体がすでに「ワールドミュージック」に近いクレオールなのである。

「ボレーロ」「ルンバ」「クリオージャ」「グァグァンコー」「ダンソーン」「ソン」「プレゴーン」「モントゥーノ」「グァラーチャ」など、さまざまに音楽を類別する用語を、私はまだきちんと説明できないが、どうやら「ソン」がキューバ音楽の「肝」のようなものであるらしいことはわかってきた。

昭和のムード歌謡には、ラテン音楽からの影響を受けているものが少なくない。キューバ音楽を聴いていると、「コモエスタ赤坂」「夜の銀狐」などを思い出すことがある。若い方々は、この手の曲をご存知ないだろうと思うけれど、コード進行がかなり似ているのだ。スペインからラテンを経て、影響を受けたのだろうと思われる。ただ、キューバの歌は、後半にメジャーに転調したりする場合もあって、昭和ムード歌謡とはずいぶん湿度が違う。キューバの方が音楽的には高温低湿、日本は低温高湿である。

そもそも、キューバ音楽を聴くことになったきっかけは、映画「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」だった。2000年の封切のとき、評判を聞いて渋谷のどこだったかこじんまりした映画館で観て以来、何度か観ている。

6月5日には、Miyakyo Fine Arts Club (M-Fac)なる集まりの立ち上げに参加したので、その第1回として、この映画を話題にした。封切の印象と大きくは変わらないが、イブラヒム・フェレールやコンパイ・セグンド、ルーベン・ゴンザレスら、出演している魅力的な音楽家たちがすでに世を去ってしまったことに、時の流れを感じる。そして、カーネギーホール公演のためにニューヨークを訪れたキューバの音楽家たちが、エンパイア・ステートビルの展望台から景色を見ているシーンでは、貿易センターのツインタワーがはっきりと映っていることにドキッとされられた。

そんなわけで、この日は午後4時半くらいから8時前まで、キューバ音楽を聴き続けていたことになるけれども、もう当分はご馳走様・・・という気分にならないのは、やはりキューバ音楽が実に多種多様だからだろう。

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