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2007年10月24日 (水)

父のこと~診断

朝、父は一人で病室にいた私に気づいた。

「来たんかね。」

「うん、どう?」

「あぁ…変わらんねぇ。」

この言い方は、ふだんの父と全く変わりなく、自分から私に気づいてくれたことが嬉しかった。

痰がからむのでしきりに咳をする。何回かに一度、まとまった出てきた痰を拭きとってやらなければならない。だが、胸のあたりにつっかえたまま、なかなか思ったようには出てこないので、苦しそうである。

「どう?出る?口の中に溜まってる?」

「いや。」

「焦って咳こむとくたびれちゃうから…。」

「あぁ。」

しばらくして、父が言う。

「にょうをね。」

「ん?」

「にょうをね、だす。」

「尿?導尿してあるよ。」

「尿…出たいのに…。」

「あぁ、尿を出したいのに出ないみたいな感じ?」

「うんうん。」

苦しみながら吐いた痰について、「今のは右側(の肺)から出た」「肺炎の時の痰みたいだな」などと、「診察」している。眠ってばかりいるが、主治医の先生から状態を話しかけられると、○○という薬打ってもらったから、もうちょっとこうなるはずだがなぁ…と、うわ言のように言う。

父は医者だった。今入院しているのも、若い頃から定年まで、勤務医として勤め上げた公立病院だ。リタイアしてから、もうずいぶんになるが、まだこの病院には、父に世話になったと言ってくださるお医者さんや看護師さんがいらして、「先生、お加減どうですか」などと話しかけてもらっている。

しばらくして、父は言った。

「…に送るようなことはないかね。」

「え?」

「せんもん」

「専門?」

「専門に送るようなことはないかね」

「うん…。」

「熱のある人もおらんかね」

「うん…。」

私は「うん」と答えているが、あてずっぽうなのだ。父が、何について話そうとしているのか、わからなかった。

「それは…じゃないの」

「え?」

「それはいいじゃないの」

どうやら、この、かつての名古屋T病院産婦人科部長は、夢の中で勤務中らしいのだ。患者さんたちの様子を婦長さんに訊いている会話と思えば、説明がつきそうな気がする。

この日、主治医のI先生が、病歴と現状を、私一人に丁寧に説明してくださった。「私も先生にお世話になりました」とおっしゃるI先生は、最後に、「こうなると・・・厳しいです。2~3日目あたりで新しい局面を迎えるかも知れません。」と、絞り出すように言われた。

厳しいことを言われるのも覚悟していたつもりだったが、足が震えた。

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