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2008年5月28日 (水)

ハイドシェックを聴く

エリック・ハイドシェックのピアノ・リサイタルを聴きに行く。日本ツアーの初日、仙台・電力ホール。

ハイドシェックは、1936年生まれ。若い頃から高名だったので、その名前は半ば伝説化しているようにも思うけれど、まだ70歳そこそこということだ。

音楽も、老境という雰囲気はなく、十分に若々しい。ペダルを巧みに扱って、独特の響きを紡ぎだす。それは、あまりにもデッドなこのホールの残響対策という面があったのかも知れないが、そのことを差し引いても、独特のぺダリングがハイドシェックの演奏個性を作っていることに違いはないだろう。

プログラムはオール・ベートーヴェン。「悲愴」ソナタ、自作主題の変奏曲op.34、6つのバガテルop.126、そしてop.110のソナタ。

堅牢に組み上げられたベートーヴェンではない。両外声が浮き上がり、時として内声は朧(おぼろ)に霞みがちになる。フランスのピアニストのすべてがこうではないだろうが、耳を傾けようとしている響きの拠り所が、ドイツ系の演奏家とは明らかに異なっている。コルトーのピアノを思い出しながら聴いていたのだが、コルトーの薫陶を受けたという知って、さもありなんと思った。弾き始めたら、そのピースのキャラクターはひとつであって、決してぶれないというあたりも、コルトー譲りか。

風貌はともかく、ステージでは、およそ大ピアニスト然とした高慢な態度は微塵もなく、舞台袖になかなか引っ込まないで、客席に向かってにこやかに何度も何度も答礼する。地方の朴訥な職人という風情。ご実家がシャンパーニュのワイン醸造だったということと関係のある気質かどうかはわからないが。

私は、基本的にコルトーの演奏は大好きだし、譜面にはあるが、ふだんはあまり聴こえてこないような音が時々ぐんと浮き上がって聴こえてきたりして、面白かった。そして、op.110などとても良かったけれど、アンコールのモーツァルトのヘ長調ソナタ(第2番)第2楽章や、ブラームスのインテルメッツォ(op.118-2)は絶品だった。このような演奏家の「音楽性」の前では、少々のミスタッチなど、どれほどの瑕でもないことがよくわかる。

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コメント

ハイドシェックは意外にデッドなホールが好きです。よく響いた音は自分で作れるのですが、響かない音を出したいときに、ホールが響いてしまったらどうしようもないですから。

>trefoglinefanさん
コメント、ありがとうございます。
なるほど。たしかにそのとおりですね。会場が、市内の別の、いささか響き過ぎるホールだったとしたら、魅力が半減したかも知れませんね。
しかしそれにしても、初めのうちは、あまりにも生な音が聴こえてきたので、気の毒なように思いましたが。

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