フォト

-天気予報コム-
2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

最近のトラックバック

友人のページ

こんなページを見つけました。

無料ブログはココログ

« 仙台×横浜FC | トップページ | 地震お見舞い御礼 »

2008年6月12日 (木)

音の旅 第5回

小山実稚恵さんのピアノリサイタルシリーズ、第5回を仙台で聴く。仙台市青年文化センターコンサートホール。

今回のサブ・タイトルは「プログラムの醍醐味・めぐる音<玉虫色・もつれあう鈍い光>」。

1曲目、ベルクのソナタop.1 の冒頭、4度堆積主題が描かれた瞬間から、妖しい雰囲気が漂う。22~23歳のベルクが、いささか神経質に試した複雑な対位法は、高揚と沈静を繰り返す大きな波にのみ込まれ、スクリャービンの知られざるファンタジーと聴き違えるよう。こんな聴こえ方をした演奏に接したのは初めてだった。このソナタが書かれた頃、スクリャービンは第5ソナタを作曲している。時代の気分として、神秘主義的な芸術感が二つのソナタを通底していると妄想したとしても、あながち荒唐無稽とばかり言えないのではないか。

その余韻の消えぬうちに、シューマンの第1ソナタが弾き始められる。ソナタop.1 を書いたベルクとほぼ同じ年齢で作曲された作品。音を凝縮したベルクと対照的に、言いたいことはちょっとのことでは言い尽くせないとばかりに、長大で込み入った構造を持ち、細部に拘ると何が何だかわからなくなってしまう饒舌で異形のソナタを、小山さんは、細部に関わりすぎることなく大きなうねりの中で捉え、描ききった。長くてよくわからない曲という先入観は粉砕された。

休憩後はフランク「前奏曲、コラール、フーガ」。この日演奏されたどの曲もそうだが、この曲も小山さんによって劇的な物語のように組み立てられる。実に気高く美しい音楽であることを、あらためて認識し直す。コラールからフーガへ移りゆく場面や、二重フーガが鳴り響く場面など、今回の演奏会すべての中でも圧巻だった。

最後は、プロコフィエフの第7ソナタ、いわゆる「戦争ソナタ」。虚構の中の「現実」と「夢想」の狭間に引き裂かれていくさまを見るよう。引き裂かれていくおのれを凝視する、もうひとつの視線があれば、さらに立体的になるのではなかろうか。

アンコールは、プロコフィエフ「前奏曲 op.12-7」、ラフマニノフ「前奏曲ト短調 op.23-5」、グラナドス「スペイン舞曲集~第2番<オリエンタル>」。

会場にいた学生くんや卒業生さんたちとともに、サインをねだる。サインをもらって、みんなとても喜んでいた。次回(10月)も楽しみ。

« 仙台×横浜FC | トップページ | 地震お見舞い御礼 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 仙台×横浜FC | トップページ | 地震お見舞い御礼 »