今年も、なかなかサッカーの試合に出かけることができなかった。
この前に行ったのが、10月26日の等々力で、札幌戦。直前にJ2降格が決まって戦意喪失気味のコンサドーレを、3-1で撃破。ケンゴの目の覚めるような鋭く美しいシュートのあと、タニとジュニーニョが得点。そんな、池に落ちた人を蹴飛ばすようなことしなくても・・・とか言われたが、厳しいのだよ、この世界。
優勝争いも入れ替え争いも熾烈なままの最終節は、東京ヴェルディ戦。味の素スタジアムに参戦するのは久しぶり。
ヴェルディサポーターよりもフロンターレサポーターの姿の方が目立つなぁ・・・と思いながら、駅から続く道を歩く。
スタジアムに入って唖然とした。アウェイ席はすでにぎっしりなのに対して、ホーム側は明らかに少ないのだ。敵ながらさびしい。
正午から始まっているJ2の試合の成り行きを気にしながら、キックオフを待つ。ベガルタ仙台、ようやくゴールを決め、入れ替え戦出場決定との知らせが入る!がんばったなぁ。
こちらは、大量得点で勝つと、鹿島、名古屋の結果次第では優勝の可能性があるフロンターレと、降格の危機が迫っているヴェルディとの、壮絶な打ち合い。
フロンターレは、概ね有利に試合を進めるが、決定的なチャンスをことごとく外す。ヴェルディも、早い時間に退場者が出たにもかかわらず、必死で粘る。
無得点で折り返し、64分にレナチーニョが決め、ロスタイムに、札幌戦を髣髴とさせるケンゴのすばらしいロングシュートが決まって、ヴェルディに引導を渡した。
後半のピッチを活性化させた大橋選手、我那覇選手は、これが川崎でのラストゲーム。試合後、カメラマンにもみくちゃにされ、腕で涙を拭いながらサポーターに挨拶する我那覇選手の姿に、涙を誘われた。 ガナ、ありがとう!がんばれよ!といった声が飛ぶ。
千葉が大逆転劇を演じたため、ヴェルディが自動降格になった。最終戦を閉じるセレモニーでの社長挨拶に、ヴェルディサポーターからのブーイングがものすごくて驚いた。対照的に、キャプテン服部選手や柱谷監督の涙まじりのお詫びの言葉には、川崎サポーターからも激励の大きな拍手が起こる。さまざまなドラマを生んだ結末。
帰りに、食事をしようと、自宅近くの店に入ったら、向かいに座っていた知らない男の人が、いきなり話しかけてきた。
「勝ちましたか!?」
「あ?・・・あぁ、はい。勝ちましたよ。」
「おめでとうございます。今日は仕事で行けなくて。」
「2対0でした。でも、鹿島が勝ったから優勝はないです。」
「いや、大したものです。私、他サポなんですが、今年はふがいなくて・・・。」
「あぁ・・・はぁ。」
私が、レプリカユニフォームを着ているから、観戦の帰りだとわかるのである。これを着ていると、「サッカー好きの同志」という目印になる。電車やオフィシャル・ショップで、見ず知らずの人に話しかけられることもあるし、知らない人たちとハイタッチしたこともある。
「では、また。来年は巻き返すようにがんばりますよ。」間もなく、そう言い残して彼は出て行った。
そんなふうに、共通話題で一瞬にして打ち解けることができる。サッカーとは、かくも不思議なスポーツなのである。
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