チャイコフスキーの交響曲など~仙台フィル4月・5月
4月と5月の仙台フィルの2つの演奏会について。
4月は、シーズン・オープニングコンサートで、オール・チャイコフスキー・プログラム(4月17日)。指揮は山下一史。
・組曲第4番「モーツァルティアーナ」より、“ジーグ”“メヌエット”“祈り”
・ヴァイオリン協奏曲(ヴァイオリン:佐藤俊介)
・交響曲第4番
5月定期の指揮は小泉和裕(5月22日)。
・ストラヴィンスキー:幻想曲「花火」
・ヴィラ=ロボス:ハーモニカ協奏曲(ハーモニカ:和谷泰扶)
・チャイコフスキー:交響曲第3番「ポーランド」
チャイコフスキーのこれらの交響曲を並べて聴くと、3番と4番の間に、大きな区切りがあることがわかる。第3番は「過渡期的な作品である」と言われていて、一般批評的に見れば確かにそうだろう。3番に比べて4番は、作曲された時期は、たかだか1年くらいしか隔たっていないのにも関わらず、完成度、知名度など、3番に比べて4番は格段にレヴェル・アップしている。
では、4番に比べて3番は面白くないかといえば、決してそんなことはないと思う。たしかに、何となく垢抜けない経過的部分などがあったりして、4番の方が全体ははるかに引き締まっているけれど、整理される直前の混沌という面白さがある。ところどころに、バレエ音楽を思わせるような魅力的な場面も現われる。それもそのはずで、作曲された時期は、「白鳥の湖」にとても近いのである。
「民謡を交響曲に」というコンセプトから、一歩踏み出した絶対音楽を目指そうとしている。しかし、まだ完全には踏み出しきれないで、民謡調があちらこちらに顔を出すし、民謡的なテーマでフーガを書いたりしている。
一方、4番は民謡的要素が抽象化された名曲だが、スコアを眺めていたら、4つの音によって全曲の動機的統一が図られていることに気がついた。・・・ということは、どこかに書いてあるのかしら。とてもわかりやすいことだから、まさか発見した人がいないわけはなく、あちらこちらの解説に記述があってもおかしくはないのだけれど、まだ読んだことはないなぁ。
ヴィラ=ロボス晩年の「ハーモニカ協奏曲」も、珍しい曲目だった。木管と弦中心の小さめのオーケストラだが、トロンボーンとチェレスタは欠かさないというあたりが、この曲のサウンドを決定づけている。
ヴィラ=ロボスの作品は、あまり知らないのだけれど、一種の諦念に似た雰囲気が漂っているのは晩年の作だからだろうか。紛れもなく「大人の音楽」で、お酒でいえば若いワインではなく、ウィスキーモルトの香り。ストラヴィンスキーの出世作「花火」が聴けたのも、楽しかった。
(読売新聞仙台版570字批評は、今年度も続いている。本当は作品について書きたいのだが、求められているのは演奏評なので、ここには新聞には書ききれなかったことなどを書いておく。)










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